漢方とは?
漢方とは中国で生まれ日本に伝えられ独自に発達してきた治療法で、湯液療法を主体としたものである。
漢方は元々生薬(主に草根木皮からなるもの)の単品を用いた「民間薬」的な使い方であった。
しかし、数千年の歳月をかけ人体実験に因る試行錯誤の末、複数の漢方生薬が組み合わされる中、その漢方の効果は証明されてきて、漢方医学としての立場を持つまでに磨かれ伝承されてきた。漢方は人類の歴史と供に進化してきた偉大な財産である。
漢方だけの話ではないが、やはり漢方医学も伝承の過程で歴史の影響を大きく受けた。
中国において漢方は陰陽五行説の観念の影響を受け、薬の働きや使用法が考察されるようになり、日本の場合は気・血・水説という独自の観念によって説明されるようになった。
このような影響を受けた漢方医学が現在東洋医学会や解説本などでまかり通っているというのが現状であり、本来の漢方の構想とは違っていると指摘する声も多い。
更に現在の漢方医学の考察は近代的な考え方の裏打ちの無いものであり、現状のままでは漢方は西洋医学に飲み込まれていってしまう危機的な状況であるという意見もある。
“西洋医学に漢方が取り込まれ”その結果更に良い漢方医学の歴史が発展すれば良いが、それは難しいとされている。というのも西洋医学の考え方と漢方の考え方は根本から大きく異なるものだからである。
西洋医学は、細胞を単位とした考え方(細胞病理学)が主体であるが、漢方は個体そのものを単位とした考え方(個体病理学)から成り立っている。
つまり西洋医学的な考え方で漢方を使うならば、ある症状だけにある漢方を対処するような使い方(局所治療)に陥り易く、漢方薬の本来の働き・・・つまりある漢方が身体全体に働きかけ、その体質から改善していくことによって局所の異常を治してゆく(全体治療)、という使い方を十分に生かせない。
即ち、人類の貴重な漢方医学の財産は。不用意に西洋医学に取り込まれれば、知らず知らずのうちに風化させられてしまう恐れがあるわけである。